当院の診療方針として、第一に
「精神疾患・心の病のみならず、心身ともにケアをする」を掲げており、
初診時など治療方針を説明する際にも、からだの状態をチェックしていくことをお伝えしています。
診療方針
https://www.kokokara-care.com/clinic/#a02
からだの状態をチェックする方法はさまざまありますが、
当院で可能な方法の一つである血液・尿検査は、
ほぼすべての患者さんで実施しています。
血液・尿検査では、「いま」どのような状態でからだが動いているかがわかります。
実施する目的は以下の通りです。
①機能異常や病気の有無の確認や評価をすること
何らかの異常がみられた場合、内容によってその治療を優先することや専門医へ紹介することになります。
②薬物療法を行うにあたって、まず安全に服薬できる状態にあるのか、
さらに、服薬によって肝臓や腎臓に負担がかかっていないかを確認すること
薬物が作用するのは脳などの「からだ」です。
安全な服薬により「からだ」が調整できることで「こころ」が安定することになります。
服薬継続中は定期的(4~6か月毎)に実施します。
③栄養状態を評価すること
当院では、分子整合栄養医学に基づいて栄養のバランスがとれているかもチェックしています。
なぜ、栄養状態を確認することが必要なのか。
車でたとえると、運転手が元気でも、車体に不具合があったら、
思うように走れないですよね。
タイヤに空気は入っているか、ハンドルはちゃんと動くか、
ブレーキはしっかりかかるか、ガソリンは十分に補給できているか、
定期的に車検を受け、また、目的地に向かう前にも点検すると思います。
万が一、車に何かあったら、目的地に到達できず、楽しみな旅行が台無しになるだけでなく、
事故につながって怪我をすることにもなりかねません。
人間のからだも同じです。
運転手であるアタマと車体であるカラダがどちらも元気で、スムーズに連携し、
からだがしっかり機能するからこそ、思う存分やりたいことに集中でき、
そこから生まれるこころを豊かにすることができるわけです。
また、治療においては、からだの状態がよいと薬の効果が得られやすくなります。
服薬しても、からだが薬を吸収できなければ、
また、吸収できたとしても薬の作用に対してからだが反応できなければ、
薬の効果は得られません。
からだが薬をしっかりと吸収でき、それに反応することができれば、
薬物量は少なくて済むことにもなります。
そもそも、栄養状態がよくなることで体調や症状が改善すれば、
薬は必要ないかもしれません。
薬物療法は、大事な治療法の一つですが、
適切なタイミングで、適切な量を使用し、必要なければ減量中止することが大事であり、
また、からだをじょうぶにすることで、最小限の量で最大限の効果を得られることにつながると考えます。
そして、薬物療法と同じくらい、生活習慣指導が重要だと考えています。
食事栄養だけでなく、生活習慣を見直し、改善が必要と医療的に判断されることはさまざまありますが、
みなさま一人ひとり、からだもこころも、生活も、環境も、そして、それらの優先順位も、
それぞれその時々で変わるものです。
治療において、何を選択し取り組んでいくかについて、
専門的な立場から必要と思われることを提案いたしますが、
最終的にはご本人が選び決めていただくことであり、強制するものではありません。
ご本人がその必要性を感じ、納得・同意して取り組まなければ真の効果は得られないからです。
ですので、必要性を感じたとしてもやりたくないことについては、
医師はじめスタッフに遠慮なくその旨をお伝えいただいて構いません。
治療において一番大事なことは、アタマとカラダ、気持ちと行動が一致すること、
自分に正直であることです。
当院が大切にしていることへのご理解、ご同意をいただけたら大変嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。
院長 益子雅笛 拝